善悪という瑣末な問題

またもや続き。


前回までのことを復習(ってほどでもないけど、)何VS何で盛り上がっているかというと、
「強姦を防ぐために女性は自衛すべき派」(自衛厨と呼ばれています)
VS
「自衛すべきというのは女性差別だ!派」(便宜的に性差別派、とでも言っておきましょうか)
です。
「強姦を防ぐために女性は自衛すべき派」の方はこの一行だけで
主張のほぼ全ての要点が集約されているのでいいですが、
「自衛すべきというのは女性差別だ!派」の方は何と言うか、一言で説明しずらいので、
実際に言ってる人の例を挙げときますんで読んでみてください。
http://noraneko.s70.xrea.com/mt/archives/2009/1207001329.php
(はっきり言ってかなりの超絶理論なので、理解できないかも知れませんが、
それは僕のせいではありません。超絶理論だからです。)
一言で言うのは難しいので二行で言うと、
「強姦するのは男で、悪いのは男なのに、なぜ犯罪を避けるように
女の方が努力しなければならないのか。これは性差別。」
ってことらしいです。





さて。
この「自衛厨」VS「性差別派」の戦いですが、
「性犯罪をこの世から減らしたいという願いは同じであるはずなのに、
なぜこんなにもお互い罵倒しあわなければならないのだろう?
(お前も同じくらい罵倒し返しとるやろというつっこみは置いといて)」
と悲しく思っていたのですが、
ちょっとだけその原因の一端をつかんだと思うので、紹介しときます。
ヒントになったのは僕の先のエントリについたブックマークコメント。

id:mame_3 「あなたの眉毛がイラついたので殴りました」「殴ってはいけません。でも今後殴られないためにあなたは眉毛を細くするのはやめなさい」話の構造としてはシュールなまでに理不尽なのに性的要素が強まるとこの有様。


これを見て、やっと理解ができた。
要するに、あんたら(性差別派)って、善悪の話がしたいのね。


いやー、僕はてっきり、「いかにして性犯罪を減らすのか」って話だとばっかり思ってたよ。
違うのね。
あんたら、性犯罪を減らしたいわけじゃないのね。
「どっちが悪いか」って話なのね。



自衛厨「犯罪を減らしたい。できれば無くしたい」
反自衛厨「どっちが悪いか決めたい」

いやー、目的が違うのなら、最初から議論がかみ合うはずがないわ。

しかし、僕は、あんたらの話に乗る気は無い。
というより、「善悪」なんて話には興味はない。
とるに足らない、くだらねー問題に過ぎない。




つまりこういうことだろ?
(性差別派の脳内の自衛厨の主張)
強姦が起きる可能性なんて、0.000000000000000000000000000001%も無い状況で、不幸にも強姦が起きてしまった。
この場合、悪いのは加害者である。
加害者が100%悪く、被害者は0%である。被害者は少しも悪くない。


そこまではいい。
問題は、強姦が起きる可能性が高い場合である。
強姦が起きる可能性が高い地域(仮に50%としようか)において、
何も警戒せずに女性が歩いてて、不幸にも強姦が起きてしまった。
この場合、被害者の女性も悪い。
加害者が80%悪く、被害者が20%悪い。
(性差別派の脳内の自衛厨の主張ここまで)

↑こんな風なことを主張してると思ってるんじゃないか?


そんなこと、全く主張していないから。
いついかなる場合においても、加害者が鬼畜な行動を起こさなければそんな悲劇は起きなかったんだから、
加害者が100%悪いに決まってる。
当然の話。
双方加害者の交通事故じゃないんだから。
被害者はそんなこと全く望んでいないのに、加害者の一方的な都合で加害者が起こしたことなんだから、
加害者が悪い。
これ以外の結論はありえない。

それを、
「被害者も20%悪い」なんて言ってると勝手に思いこむから、
「被害者を侮辱する行為」とか「セカンドレイプ」とか「性犯罪者予備軍」とか相手に罵詈雑言を投げつけたくなるんじゃ?


繰り返します。
加害者が悪い。
これ以外の結論はありえない。



しかしだな。
そんなことは、どーだっていいのよ。
うちらの中では。
自衛厨の中では。

id:mame_3 「あなたの眉毛がイラついたので殴りました」「殴ってはいけません。でも今後殴られないためにあなたは眉毛を細くするのはやめなさい」話の構造としてはシュールなまでに理不尽なのに性的要素が強まるとこの有様。


これをもう一度引用すると、
「あなたの眉毛がイラついたので殴りました」
↑こっちは、加害者のセリフでいいよな。

「殴ってはいけません。でも今後殴られないためにあなたは眉毛を細くするのはやめなさい」
↑こっちは誰のセリフだ?
天から見てる神様かなんかか?
確かに、天から神様が見ていて、「アイツは悪いことしているな」と認定次第、その悪行をやめさせる力があるのなら、
善悪を論じる意味はあるだろう。
しかし、現実にはそんなのいないのよ。
「殴ってはいけません」
↑そんなことを誰が何万回言おうと、被害者が殴られた痛みが消えるわけでもなんでもない。
ただのお経にすぎなんだよ。


レイプの話で言えば、
「加害者が悪い」と1000億回言おうと、
加害者を死刑にしようと、打ち首獄門の上さらし首にしようと、
被害者がレイプされたという事実と被害者の心の痛みは消えないんだよ。

「加害者には男性優位の考えがうんぬん」「社会が悪い」
なんて評論家が評論しても、そんなものは無意味な呪文に過ぎないんだよ。


「悪いのは加害者なのに、リスクを避けるために被害者側がコストを払うのは間違っている」
確かにそうだよ。
筋は通ってると思う。
しかし、いくら正論だろうと筋が通っていようと、
心の傷を受けるのは間違った世の中でもあんたらでも僕でも加害者でもない、
レイプを受けた被害者しかいないんだよ。
そんな中で正論なんて、何の意味がある?



そんで。

id:mame_3 「あなたの眉毛がイラついたので殴りました」「殴ってはいけません。でも今後殴られないためにあなたは眉毛を細くするのはやめなさい」話の構造としてはシュールなまでに理不尽なのに性的要素が強まるとこの有様。

このたとえ話に戻ると。
(何度も引用してごめんなさい)


「眉毛が細いのがイラついて殴る事件」が多発しているのなら、やるべきことは次の二つである。


1.「眉毛が細いのを見るとイラついて殴る人間」の駆除
2.危険を避けるために眉毛を細くするのをやめる


1.については何も問題ないだろう。
個人的には、性犯罪者は全員去勢か死刑でいいと思う。
「加害者による脅迫や復讐などのセカンドレイプが怖い」
というんだったら、物理的に取り除いてしまうのが一番手っ取り早い。
性犯罪者は死刑で。(「性差別だ派」は間違っても「加害者の人権」とか寝言をほざくなよ)

2.について。
シュールであろうと理不尽であろうと、
「眉毛が細いのを見るとイラついて殴る人間」なんてもんが存在して、
そいつを駆除しきるのが困難なら、
そして、被害にあうのを避けたいのなら、
するべきことは眉毛を細くするのをやめることである。



もちろん、「本当に殴られた原因は眉毛が薄かったからなのか」
「眉毛の薄さと殴られる確率に確固とした相関関係はあるのか」
という問題は、詳しく吟味しなければならない。
「スカートの丈が短いと強姦される確率が上がる」
という話が嘘なのなら、言うべきことは
「だから対策するな」ではなく、
「こっちの統計に基づけばむしろこういうことを避けるべき」
ということである。
そもそも、「ミニスカートは性犯罪を誘発しないよ」って人が
自慢げに出す資料だって、「性犯罪に対する統計」でしょ?
ようするに、「統計を見て、こうすれば強姦を受ける確率が上がる、下がる」
って分析するための資料でしょ?
それって自衛のための資料じゃん。
(統計の結果、いついかなる場合でも強姦を受ける確率は変わらないってのなら話は別だけどさ)


別にそれでも眉毛を細くしたいって言うのなら、
僕に止める方法はない。
自由だ。
しかし、それによって殴られる事件が発生したのなら、
その痛みは、殴られた人だけのものだ。
誰も何もしてあげられない。
「殴った奴が悪い」なんて言っても殴られた痛みは消えない。
せいぜい僕らにできることと言ったら、殴った奴に対する制裁くらいしかできない。
「自由には責任が伴う」ってのはそういうことだ。


というわけで。
繰り返すが、
「善悪」なんてものは何の意味もない。
「加害者が悪」なんて言っても、被害者の心の傷が癒えるわけじゃない。
そんな中で僕らにできることと言ったら、
これ以上被害者を増やさないようにすることだけじゃね?
って話。
だから、僕は言い続ける。
「知らない男を信用するな。」
「男を見たら、ケモノだと思え。」
「夜道の一人歩きは避けろ、周りの人間でも警察でも何使ったっていいから。」
差別者と言われようが、抑圧だと言われようが、セカンドレイパーだと言われようが、言い続ける。
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最後にちょっと関係ないけど、
「善悪という瑣末な問題」
というタイトルは、↓このHPからの引用です。
このHP自体は歴史や軍事のページなのですが、とても素晴らしいページで、
今回言いたいことも(大きな目で見れば)同じことだと思ったので、
引用させていただきました。
お勧めなので、歴史や軍事に興味がある人は見てみてくださいい。
善悪という瑣末な問題(私的レポート・太平洋戦争)
http://members.at.infoseek.co.jp/tou46/re_00_21.html


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