全体主義と民主主義   その6くらい

繰り返し何度でも言いますが、僕は民主主義を支持しています。
そして、全体主義が大嫌いです。


それで、民主主義と全体主義の違いって、何だろう?

って話になったら、一つの形としては、


「民主主義は、統治や政府ってとても難しいものだと思っているけど、
全体主義者は統治や政府って簡単なものだと思っている」


ってことが挙げられるんじゃないかな、と思います。



政府を野球に例えよう。
今の日本の状態は、昔(20〜30年程前)に比べて、明らかによくない。
統治に(昔に比べれば)失敗している状態だと言ってよいだろう。
野球に例えれば、「負け続けで勝率がどんどん落ちている」状態だと言える。



そういう時に、民主主義者は、これを政府の能力の不足と見る。
だから、これを解決する方法と言えば、
練習を強化していいピッチャーを育てたり、バッティング方法を改良して打者の打率を上げたり、
監督を交代していい作戦を立てられる監督をたてたり…
とにかく、能力を上げるという方向に考えが及ぶ、と思う。


その「能力を上げる」という思想の根底には、
国民を統治する、ということは、非常に難しい。
という前提がある、と僕は考えている。
能力が必要であり、能力が足りなければ、必然的に悪い結果になる。
しかし、非常に難しいということは、国民全員が必死になって考えた結果でもまだ能力的に全然足りない、
という状況もあり得るわけで、「今が悪い状況」だからといっても、=政治は無能!と責めるべきでもない。
「投手が全員三振に取って打者が全員ホームラン打てば勝てるじゃん!」という安易な考え方には与しない。
世の中そんなに簡単ではない、というのが、民主主義の考え方だと僕は理解している。


対して、全体主義者は、これを悪人が邪魔をしているせいと見る。
要するに、
「邪悪なピッチャーがわざとボールを投げている」とか
「ベースをわざと逆走している」とか
「悪い外野手がわざとボールを取らない」とか考えている。


実例を挙げると、


全体主義者の一例としては、右翼がいる。
右翼は、社会がうまく行ってない原因としては、
朝鮮人と中国人と反日サヨクとマスコミと日教組がわざと日本を悪くしているのであって、
これらを取り除けば日本は良くなる」
と考えている。


また、(今では大分少なくなってしまったが)
「世の中のすべての悪はアメリカと自民党によって生み出されているのであり、
これらを取り除けば日本はよくなる」
と考えている人たちもいる。


また、おそらく日本で最大勢力の全体主義者である、
政権交代すれば日本は良くなる教」信者の方々は、
「官僚と自民党が結託してわざと日本を悪くしているのであって、
これらを取り除けば日本は良くなる」
と考えている。


これらの思想の根底にあるのは、
「政府を統治するということは、非常に簡単なことであり、
普通に統治すれば悪くなるなんてことはあり得ない。
なのにこういう良くない状況なのは統治者の誰かがわざと邪悪なことをしているからであり、
そいつらを取り除けば日本は良くなる。」

という思想である。


民主主義者と全体主義者の議論が絶対にかみ合わないのは
この思想の根底のずれであり、このずれをどうにかしない間は
確実に議論は前に進まないと思う。


僕は、民主主義を支持している。
そして、「日本を悪くするために悪さをしている悪いやつ」なんていない、と思う。
民主党は「官僚が悪い!官僚が悪いからこんなに日本はダメになったんだ!」と言っているが、
民主党政権交代をしたからと言って、民主党が官僚以上の能力の持ち主でなければ
日本が良くなることはありえないと思っている。
「官僚が悪いから悪い官僚を取り除きさえすれば日本は良くなる」
なんて単純な考え方は支持しない。


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