映画 靖国 について 2

昨日に引き続き、映画「靖国」について、少々意見を述べたいと思います。


今日は靖国刀の刀匠、刈谷直治さんが出演した場面のカットを求めていることについて。


ちょっと、情報が錯綜しているので、一度時系列にまとめてみます。


05年
李監督ら3人が刈谷氏を訪れて、刈谷氏が刀を作ってるとこや刈谷氏へのインタビューを撮影。
インタビューしているときに、刈谷氏が李監督に「君は小泉首相靖国参拝についてどう考えているの?」と聞き返したりもした。監督は答えることは適切ではないと思ったので答えなかった(ソース:キネマ旬報


※そのとき刈谷氏は「映画は刀作りのドキュメンタリーと聞いていた。政治的な内容だと思わなかった」
と08年4月に語っている(ソース:毎日新聞




2007年4月 
李監督はビデオをもって完成した映画を刈谷夫妻に見せにいった。


そのとき夫妻に映画祭での上映の了解をもらった(李監督の主張)

「小泉さんとかが出てた。靖国のあれをそんなに使われるのは嫌だと思うた。
そのときは出演場面を削除して欲しいとは言わなかった」(刈谷氏の証言;ソース:高知新聞
「別に問題があるとは思ってない。削除して欲しいとも思わない」(刈谷氏の証言;ソース:AERA



2007年12月
週刊新潮が「この映画は反日映画。反日映画を助成金で作るとは何事」と叩く。




2008年2月
ベルリン映画祭で「靖国」を上映。
上映後、李監督は助監督の中村氏とともに刈谷氏へ挨拶にいく。


奥さんが反日映画だということで動揺し、不安がっていた。また、ご夫妻とコミュニケーションをしました上で、奥さんから「これからも上映してください。頑張ってください」と言われた。
刈谷さんにはチラシを見せて、パンフレット用に「誠心誠意」という言葉をもらった。
(李監督の主張)



「はじめて見せてもらう。そのときに政治的な主張が含まれていたので、駄目だと思い、監督に出演部分のカットをお願いした」(刈谷氏の奥さんの証言;ソース:有村議員)



「この映画には日本の助成金が出ているし助成金を受けていると言うそののマークもついてるから大丈夫ですよ。」と監督が夫婦をなだめる(たぶん奥さんの証言;ソース:有村議員)



※時期不詳
初めて見たときに、「初めの趣旨と全然違う。絶対ダメ。もう一回全部やり直して」と直接言った。
それからなしのつぶて。今年の春に監督助監督の二人がちょこっとあいさつにきただけで作り直した品は持ってきてくれんかった。 (奥さんの証言;ソース:高知新聞




まだよく分かっていないけど、4月時点での刈谷さんの証言を信じるにしても、
撮影ならびにインタビューを了承して、完成した作品を見たときに「撮影した部分を削除して欲しい」と言わなかったんだから、
公開を了承したと受け取るのが普通だと思います。
一度了承したんだから、今さら「削除」してくれと言っても、通るわけないだろうと思うのですが。
(私は法律に詳しくないからしらないけど)
奥さんは強硬に反対しているようですけど、所詮は他人ですから。奥さんですけど。


また、夫妻の証言もいくつか疑問点が。インタビューで「君は小泉首相靖国参拝についてどう考えているの?」とか聞くくらいだから、それなりに政治的な話も含めたインタビューだったんだと思います。
僕は実際に映画を見たことないからわかんないけど。
(実際に映画を見た人、証言おねがいします)

少なくても、「君は小泉首相靖国参拝についてどう考えているの?」ってインタビュー中に聞いておいて、



「刀作りのドキュメンタリーと聞いていた。政治的な内容だと思わなかった」
だの
小泉さんとかが出てた。靖国のあれをそんなに使われるのは嫌だと思うた。 」だの通るわけないだろうと僕は思うのですが。


こういう疑問も、実際に映画を見れば正しい情報が伝わるのでまた意見が変わってくると思います。
「批判するなら見てからにしろ」と言われる所以ですね。


あと刈谷氏にしろ奥さんにしろ、ソースによって言ってる事が矛盾しますし、
「この映画には日本の助成金が出ているし助成金を受けていると言うそのマークもついてるから大丈夫ですよ。」
こう監督が言って説得したという話ですが、


どう考えても不自然でしょう。


監督が刈谷氏にパンフレット用の言葉として「誠心誠意」という言葉をもらったという話ですが、
これに対して刈谷氏はどう答えているんでしょうか?
もし、その言葉が直筆だったりしたらその文書がそのとき納得していたという重要な証拠になると思うのですが、無いんでしょうかね?
具体的だから信憑性が高いように感じるんですが。



じゃあ李監督が純粋な被害者とでもいう気なのかと聞かれれば断じて違います。
刀匠ならびに奥さんの証言は互いに矛盾するから、どれかが嘘なことは間違いない。
しかし、刀匠がこうして上映を拒否するような事を言っている以上、
少なくても刀匠とのコミュニケーションがj十分に取れていなかった事は確か。
李氏の証言を全面的に信用することはできない。


ってここまでいってきましたが、
正直な話僕にはまだよくわかりません。
情報が足りない。
何が真実なのか。
何が嘘なのか。
まだ、ジグソーパズルのピースはひとつの絵を描いてない。
誰が悪いのかと言っても、たぶん犯人なんていないだろう。
世の中は1ビットじゃない。
監督、刀匠、奥さん、助監督、だれが犯人で誰が被害者でもなく、
お互いが分かりあえなかったための悲劇なんだと思う。


まあどんなに考えてもどういう可能性を考慮にいれても有村治子稲田朋美が悪いことだけは間違いないんですが。


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