中国からカツアゲされないために その1

はい。先回、東中野に対する個人的な敵意をぶちまけましたが、
やっぱ学問って物から縁遠い人からすればあんまピンと来なかったらしいですね。
キチガイと馬鹿信者が馴れ合ってるだけで別に関係ないじゃん?
それより一遍『被害者』という立場を手に入れた中国が永久にカツアゲしてくる方が問題だろ」
みたいな感じなのでしょう。
たぶん。
すったらもんでからに、言ってしまいます。


中国から無理な要求されないためには東中野みたいなのは徹底的に潰すべき。

どーゆーことなのかこれから順を追ってせつめーしていきたいと思います。



まず。

20世紀中ほどから21世紀にかけて、世界では大雑把に言えば大きく3つの思想がある。


一つが民主主義
アメリカ、イギリス、フランス、カナダ、(戦後の)日本、ドイツなどが採用している。


一つがファシズム
ファシストイタリア、ナチスドイツ、大政翼賛会日本、朴正煕韓国、ピノチェトチリなど。


もう一つが共産主義
ソ連東ドイツユーゴスラビア北ベトナム、モンゴル、キューバなど。



日本ではよく右とか左とか、2つの方向で物事を考える変な風習があるけど、実際は3つの隔絶した思想からなっている。
よくファシストは右翼、共産主義者は左翼と言われる。
しかし、右よりの民主主義者とファシストとの間には超えることのできない断壁が存在し、左よりの民主主義者と共産主義者との間には深遠な断崖が聳え立っている。この3つはそれぞれお互いに決して交わることの無い水と油だが、それでもファシスト共産主義者との間にはいくらか交換関係があるらしい。
同一人物がファシストから共産主義者に鞍替えしたり、その逆もある(小林よしのりとか藤岡信勝とか兵本達吉とか)。まあこの二つは自由に入れ替えが比較的可能。
が、ファシストが民主主義者になったり、民主主義者が共産主義者になることは全くありえない。



それでだな。
3つが3つともお互いに敵視しているのだが、それでも山千海千の国際社会では「敵の敵は味方」とばかりに手を組むことはありえる。


第二次世界大戦では
ファシズム枢軸国) VS 民主主義共産主義連合国)
だった。
民主主義国のアメリカやイギリスは、ファシズムのドイツや日本に対抗するため、あえて大っ嫌いなソ連とも手を組んだ。
中国国民党中国共産党は互いにいがみ合っていたが、日本に対抗するために手を組んだ。
なぜアメリカがソ連と手を組んだかと言うと、当時はファシズムが強かったからだ
ドイツや日本が脅威だったから、アメリカは敵(ドイツ)の敵(ソ連)は味方ということで大嫌いなソ連と手を組み、脅威の二大帝国ドイツと日本を叩き潰した。


協力してファシズムを叩き潰した共産主義と民主主義は、共通の敵がなくなると、すぐに仲違いを始めた。
世の中そんなものだ。共通の敵が無くなれば団結なんてもろくも崩れる。
第二次世界大戦に次ぐ冷戦は
共産主義東側)VS 民主主義ファシズム西側)
だった。
ドイツと日本を潰してファシズムが現実の脅威でなくなったアメリカは、新たなる脅威ソ連に対抗するため、「昨日の敵は今日の友」ということでファシズムと手を組んだ。
(この節操の無さがアメリカの強みなんだよな)
日本国内でも同じ構図で、
共産主義勢力の社会党に対抗するために民主主義勢力とファシズム勢力が同一の自民党に寄与した。
民主主義勢力とファシズムは実際は全く別の思想。しかし、「反ソ連」「反社会党」のために手を組んでいた。


社会党にとってアメリカは敵だった。悪だった。
冷戦という戦争においての相手国なのだから。
しかし、第二次大戦のアメリカだけは正義だった。
そのときはアメリカは共産主義勢力と手を組んでたから。
当然第二次大戦で共産主義にとっても敵だった大日本帝国は悪の国である。
だから「日本は第二次大戦では悪いことをした国だった」
ということになった。


自民党の中には「日本は第二次大戦では悪いことをした国だった」って勢力と
枢軸国こそ正義で連合国は悪」っていう勢力が両方いた。
んでも「冷戦は西側が正義」ってことは共通していた。
自民党でも「第二次大戦では日本は悪だった」と考えるものは多数いたのだが、同じ党内に逆の考えの人もいるためにはっきりということができなかたった。


というわけで、「第二次対戦では日本が悪」と繰り返すだけで社会党の得点になる、というまさに「知的廃頽」と表現するにふさわしい状態が何十年も続いてしまった。
そりゃそうだ。
普通に常識持った人が普通に考えりゃ「枢軸国こそ正義」なんて考え方は出てこない。
自民党にもそういう普通の考え方ができる人はたくさんいたのだが、あまり声を張り上げることは無かった。
現実としてちょっと前まで戦争で酷い目にあった国民にとって「あの戦争は正しい戦争だった」なんていってる人間がいるっつー現実は、背筋が凍るような恐怖だったに違いない。
普通の人はあの戦争を理想化するファシストが理解できない。ファシストも与党自民党として権力を握っているゆえ、またファシズム政体になって戦争をおこすんじゃないかという危惧を多くの人が抱いた。
戦争なんて二度と繰り返さぬよう、ファシズムが主流にならないよう、反戦活動をしよう、と思うのは人として自然な欲求の発露だと思う。
問題はそういう反戦活動を支援するのは共産主義勢力しかなかったことなんだよな。
「第二次大戦では枢軸国に正義は無い」と言っていて、ある程度力のある政治勢力って共産主義勢力しかなかったから。
ソ連の資金援助や、プロ市民の活動費をオルグに回すとか、共産主義勢力はお金もってたから。
自民党反戦に金出そうなんて気は無かったから。
というわけで、「反戦」の人間が次々と共産主義勢力に取り込まれていった。
最近また「第二次大戦は日本が正しかった」という人間が増えてきてるけど、そういうとんでもないこと言い出す人間がいるということに拒否反応を示す人間も、また増えるだろう。
そうすると、また活動資金だけは豊富にある変な団体に取り込まれかねない。


冷戦が終わった今、必要なのは、過去を繕って賛美することではなく、反共産主義、反ファシズム反戦団体ではないか?



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