ネット右翼と右翼の違い

ネット右翼とは何か-iwatamの何でもコラム

この人の文章、考えさせる内容ばかりでとても好きなんだが、もやもやってしたものがすっきりと言葉で表現されていて、とても参考になった。
僕も日ごろ、ネット右翼って言ってることは右翼っぽいけど体質的には左翼(サヨク?)と同じ物を持ってる気がするって思ってたが、
この文を見て納得がいった。


右翼は「情」を重視するが、左翼は「知」を重視する。

「俺は馬鹿だから難しいことは良く分からないけど、そうやって口先だけの論理を振り回している暇があったら、過疎の村にでも行ってお年寄りの話を聞いてみなさいよ」

と肌で感じる体感、理屈じゃ割り切れない直感や勘、お年寄りの経験の方が正しいと思うのが右翼で、
それに負けずに口先だけの論理を振り回すのが左翼だ。
人は論理だけでは勿論生きられないが、論理なしでは人類は発展していかない。
だから右翼も左翼もどちらも大切なのだ。
しかし、ネット右翼は「情」では無く「知」で処理しようとしているから、言いたいことが薄っぺらいのだ。


右翼は「天皇陛下を尊敬する。」という。
それが世間の中で生きてきた人の感じる普遍的な価値だと思う。
しかし論理を重視する左翼にはその気持ちが分からない。
何かを崇拝することに理由なんてあるわけが無いんだから。
天皇を尊敬しなくてもいい理由」なら、いくらでも積み上げられるのだが、
天皇を尊敬しなくてはいけない理由」なんてものは存在しない。
しかし、ネット右翼はそういう「情」で処理するべきものを「知」でムリヤリ処理しようとするため、
「皇室はローマ教皇庁公認」とか「天皇はEmperorと訳される。Emperor=皇帝、King=王、皇帝>王だから外国のKingより天皇の方が偉い」
とか理屈をこねる。
そうすっと、「ローマ教皇庁が認めているから偉いってことは、アンタは天皇よりもローマ教皇の方が偉いと思ってるわけ?」とか「じゃあ仮にヨーロッパでEmperorより上の位がいとしたら、天皇を崇拝せずにそっちを崇拝するんだな?」とか無限のツッコミが入るんだが。
だからネット右翼は右翼の言うことを手伝ってる気になってるかもしれないけど逆に皇室に反感もたせる一因にしかなっていないと思う。


右翼は外国人を排斥しようとする。
それは、外国人と実際に接してみて「共存は不可能」と悟ったからこそ主張するものであって、理屈ではない。
せいぜい、「外国人は風習、文化、良心のあり方まで違うから共存していこうと思うのはお互いのためにならない。」というくらいだ。
そこで体感より理屈を重視する左翼は「異質な文化間でも個人主義を認めれば互いに尊敬しあえる立場になれるはずである(はずである、ってところがポイント)。排他主義は文化の視野の狭さ、停滞を促進する」
とか理屈をこねる。
ネット右翼は理屈をこねるところは左翼と同じなのだが、「他文化との交流を遮断すべき理屈」って物が見つからないので
「韓国の反日教育が及ぼす人格的な欠陥が〜」
とか訳の分からないことをいう。
あるいは「在日は働かなくても税金で暮らして手厚い保護がつく」とか「麻原彰晃は在日」とか

阪神大震災のときに、韓国は新聞の見出しに「天罰だ!」と書いていた非常識極まりない国
結婚に女は不良品(不妊症等)が許されない為に、種男に娘を犯させ孕ませた状態で結婚を行っていた国。
強姦、殺人など犯罪発生率が世界トップクラスの国
病身舞という身体障害者お真似をして笑いを誘う伝統芸能がある国
エイの人糞漬けが料理として出てくる国
人糞を舐めて誰の糞か当てる嘗糞文化がある国
本田宗一朗に絶対に関わるなと言われた国
強姦世界一の国

とか捏造する。(全部捏造らしい)
僕自身の経験としては知っている在日も韓国人も中国人もいい人で、十分に共存可能だと思った。
しかし、僕の人的交流なんてたかが知れているし、「俺は韓国人はたくさん会ったがあいつらはマジで酷いぞ!」とかいう僕よりずっと経験豊かな人が主張する経験に裏打ちされた言葉は重宝したいと思う。
んでも、ネット右翼が「在日は全員祖国に帰れ!」とか言ってるのは軽蔑の念しか沸かない。


右翼は「日本が大好きだ!日本を愛せない奴は非国民だ!」という。
そこには理屈なんて無い。ただ単に、日本が好きなんだろう。何かを愛するのに理由なんてないからだ。
逆に、「愛さなくてもいい理由」ならいくらでも積み上げられる。
だから左翼には「日本を愛していない」と公言する人間も少なくない。
恋愛が始まるのに理由なんて無いけど、終わるのには理由がある(byどっかのキザ男)」
ってことだ。
しかしネット右翼は、
「かつてのあの戦争は共産主義者の陰謀にはめられただけなんだ。
だから日本は全く悪くないんだ。
だから日本がやった戦争は正義の戦争なんだ。
だから日本を愛せ」
という。
僕はそういうのを見て
「バッカじゃねーの?じゃあなんであんたらの言うソ連の子分でしかない日本共産党は戦争に反対していたんですか?」
「じゃあもし仮に日本が正義じゃない戦争を起こしたら日本が嫌いになるのか?」
としか思わない。
(そもそもこの世の中に「正義の戦争」なんてものがあるなんて信じない)



ネット右翼はなぜ「天皇陛下を敬え!」と言う時にさえ理屈をこねるのか?
決まっている。
ネット右翼天皇陛下を崇拝しているわけでもなんでもないからさ!


ネット右翼はなぜ「大東亜戦争は正義の戦争である。だから日本を愛せ」というのか?
ネット右翼は日本を好きでも何でもないからさ!


それ以外に考えられん。愛だとか「情」の部分にわけのわからん理屈をわざわざ持ち出さなければいけない理由は、「実際にはそう思っていないから」以外に無い。
実際にそう思っているのなら理屈なんて必要ないからだ。
「博士の独り言」にしても「よーめんのブログ」にしても「東アジア黙示録」にしても、「日本への愛」というものがこれっぽっちも見えてこない。
訳の分米、稲穂、落語、歌舞伎、醤油、味噌、自動車、カップラーメン、眼鏡で出っ歯のサラリーマン、世間様、日本将棋、盆栽、柔道、アニメ、何でもいいけどそういった「日本」への愛が全く見えてこない。
あるのはただ憎悪。
憎悪あるのみ。
こんなのが「愛国活動」だなんて笑っちまうぜ。
少なくても、過疎の村のお年寄りに「博士の独り言」とこのブログ見せて、「どっちの作者がより日本を愛している?」って聞いたのなら、こっちを選ぶ人ばかりだという自信はあるぜ。
奴らに「武士道」や「作法とは何か」とかが書けるとは思えん。


某所で典型的なネット右翼(日本の恥)と本物の右翼(と、僕は思っている)とのいざこざがあったとき、
ネット右翼の屁理屈(というより屁理屈にもなっていないんだが)に対し、


難しいですね(笑)


と言って自説を持ち出し、


そんな難しいこと考えなくてもいいんですよ。
皆さんの周りを見回してみてください。
ちょっとだけ時間を割いて世の中に流れる情報を拾い上げてみてください。


って返したのは印象的だった。
この時、「さすがだな」って思ったね。
左翼には、反撃するためにはネット右翼の屁理屈を論理的にどこが間違っているか指摘し、正しい理屈を教えてあげるっていう方法しか思いつかなかった。
「んでも、こいつは論理的に反論しても論理的に物事を考えることができないため、自分の言うことがどこが間違っているのか分からないから説得は不可能だな〜」
とか思いながらも。
だから、僕には反撃する方法なんて分からなかったんだ。
でも、「そんな難しいこと考えなくてもいいんですよ」で全てを無効化してしまうのは、とてもいい方法だと思った。
僕には真似できん。この方法を使うのは経験に裏打ちされた地に足つけた人生観が必要で、それは薄っぺらい観念論を唱えるだけの僕には無いものだからだ。
だから僕は右翼は尊敬するけど、ネット右翼は軽蔑しかしない。


ネット右翼」という言葉の使いかたが気になった人はすみません。
しかし、心から天皇を崇拝していて外国人との共存の不可能性を体感的に感じていて理屈抜きに日本が大好きならネットがなくても右翼だと思うので、「ネット右翼」という言葉を使いました。


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