再生不可能な「教育再生会議」

教育再生会議」という名の「ガード下の飲み屋のおっちゃんの教育談義」が色々国民の失笑を買っていますが、また変なことを言い出したようです。



徳育の教科化
僕は徳育を教科化すること自体に反対なのだが、それだけだったらそんなに反対はしない。
僕がいいたいのは なぜ教科化するのなら専任の教師を作らないんだという点である。
ゆとり教育」の最大の目玉の一つ「総合的な学習の時間」、
あれがなぜあんなにも叩かれたかというと、専任の教師を作らないままなし崩し的にやったからだ。
徳育」で何を教えるつもりか知らんが、少なくても今現役の教師は人に教えられるほどの「徳育」の知識は無いぞ。
一般的な社会人が見につけている常識的な「道徳」は身に着けているだろうが、(身につけてないやつもいるけど)
そのレベルでいい、というのならそもそも「徳育」なんて教える必要ないじゃーん、ってことになるだろう。



学校選択制導入を促進し、学校の実績に応じ予算を配分
これ、聞いた時は耳を疑ったんだが、本気なのだろうか?
絶対やめといた方がいい。というか、これ、世迷い言じゃないか?
ええと、まず、「競争原理を導入することはいいことだから賛成」とか言っている奴は、まずは企業と学校は全く別のものだということを知っておいた方がいい。

まず、教師というものは、校長も含めて県の職員である。
だから数年ごとに同じ県内の別の学校に転勤になる。
企業のように同じ企業にずっと勤めるのなら競争原理も働くが、数年ごとにまた別の学校に転勤になる運命にある教師に競争原理が働くとは思えん。
しかも、学校は学校の最高責任者である校長が変われば学校の方針も変わる。数年でコロコロ風向きが変わるのだから、たくさん予算を配分したところで一気に逆方向に酷くなる可能性だってある。
それから、学校の教職員は学校の予算から給料が出るのではなく、県から給料をもらうので、予算が増えたところで先生は儲からないからな。
予算が増える→先生が儲かる→先生、やる気がでる、なんて事にはならない。


んで。「実績」というのが何で評価されるのかも怖いが、予算が少ない学校にも絶対に通う生徒は存在するって事もありえないだろ。学ぶ環境に最初から差がついているんだから。
「そんな学校を選ぶ方が悪い!自己責任だ!」とか言うのなら狂っている。
実際には予算に差がついた時点で予算が一番多い学校に希望者殺到、それ以外のところは廃校寸前、って形になるだろうけど、
それだったらそもそも学校が分かれている意味が無いと思わないか?


大学・大学院に競争原理を導入・予算の傾斜化
そういう事言ってるから日本の大学の評価が低いって事、いい加減に気づけよ。
日本の大学の評価が低いのは、他国のやってることの模倣、発展はできるけど、全く新しいことを作ることができないからだろうが。
「研究を競争」なんてすると絶対大学は大きな発見はないけど確実に儲かるみみっちい研究ばっかりするぞ?
「今後10年以内に、定評ある国際比較において、我が国の大学・大学院が、世界の上位10校以内を含め上位30校に少なくとも5校は入ることを目指す。」なんて目標と同時に掲げることとは思えん。


教育研究水準の高い大学や、設備に費用がかかる医薬学・理工系学部などの授業料・入学金を他の大学・学部より高くする
逆だろ?何考えてんだ?馬鹿になること奨励してどうするんだ?
日本がこれだけ経済大国になれたのは、「理系の教育水準が高い」って理由ってことは分かってるよな?
「理系離れ」が深刻な問題化してることも知ってるよな?理系離れ=技術立国日本の終焉を意味してるんだから。
理系離れを加速する提言には全く再生できません。


ODA予算の活用などにより、アジア諸国等からの優秀な留学生の受入れを促進する
いりません。ただえさえ無能な留学生のために足を引っ張られてるのに。


まだ言いたいことはあるけど、これくらいで。
何度も言ってるけど、僕は日教組が嫌いだ。大嫌いといっていい。
でも、日教組の組合員も一応教育者として、現場のことはよく知っている。
よく知った上での政治活動だから、まだかわいげがある。
現場を何も知らずに素人が好きなことをほざいているだけなのを見ると、
「こいつら日教組以下だな」ってつくづく思う。


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後日追加。
このエントリとこれの前のエントリに関することを農民さまが論じていらっしゃるのでリンクしときます。
ラクターの上から

http://blog.livedoor.jp/noumin1978/archives/50670133.html