人はなぜカルトにはまるのか

少し古い話題ですが、カルト統一協会を事実上宣伝する番組を世界日報系テレビであるフジテレビがゴールデンタイムに放送したらしいですね。


洗脳教材にTV番組利用


 霊感商法や違法伝道など反社会的活動を繰り返している統一協会が、信者獲得のための 教材としてテレビの“占い・霊界”番組を使っていることが、全国霊感商法対策弁護士連絡会入手の内部文書でわかりました。


 文書は、二十歳代後半の女性が通っていた統一協会のビデオセンター「ウェスト ガーデン」(東京都杉並区)の受講記録。女性は昨年秋、正体を隠した街頭伝道で同センターに誘われ、九月十六日から今年二月二日まで三十二回受講しました。受講料は七万円で女性は六万七千六百円を分割で払っています。


 この間、ほぼ毎回、センターが用意したビデオを視聴し、教育担当者の講義を受けています。 そのうち七回目に見たのがフジテレビが制作、放映した「天国からの手紙」。「『霊の世界』と 交信し、その思いを伝えることができる」という「スピリチュアル・カウンセラー」(番組HP)の男性が 登場し、タレントなどがその言葉に感動するという内容です。


 統一協会は、すでに終了した他局の番組のビデオも四本以上使用。その他は同協会制作のビデオと見られています。


 統一協会は“何代もの先祖が霊界で苦しんでいる。放置すればあなたや家族も不幸になる。 先祖の因縁を解放するため全財産をささげなければならない”などと教えて信者にし、献金霊感商法に駆り立てています。


 全国霊感商法対策弁護士連絡会事務局長の山口広弁護士は「(洗脳教育の)前提が霊や霊界の存在を認めさせること。番組が一役買うという結果になっている」と言います。


 「ドラマでもフィクションですという字幕を流している」と同弁連の紀藤正樹弁護士。「この種の番組には(霊界は科学的には立証されていないという)最低限の断りをいれたり、霊界を認めない人も登場させるべきだ」と指摘しています。


 一方、フジテレビ広報部は「『天国からの手紙』は、霊の存在の有無を検証する番組ではない」とし、統一協会が無断で利用していることについては、「事実関係を確認した上で対応を検討したい」と述べています。


以上、しんぶん赤旗
結構ビッグニュースだと思うのですが、赤旗以外のマスコミはどこも完全にスルーのようです。


まあ、こういう「前世」とか、「霊の世界」とかそういう下らない番組は「信じる方が馬鹿」で終わらせとけばいいんですが、
ごく一部の本当に信じる馬鹿が引っかかるから困るんだよな〜。
地に足つけて生活していれば、「スピリチュアル・カウンセラー」だとかが最大限MAXうさんくさいことくらい体感的に分かるものであろうものですが、
どこの世界にもそういう感覚が無い人間がいるものなんで、しかもそういう人間は「世間空間」からきっちり隔離されていることが多いんで、まあ人格からめとるろうとするカルト教団には都合のいい存在なんでしょう。


さて。
「この世に悪が栄えたためしが無い」
「悪いことをするとバチがあたる。けなげにがんばっていれば神様が見ていてくださって導いてくれる」
「よいことをすれば天国にいけ、悪いことをすれば地獄に落ちる」
というのは嘘である。
これらは支配者層が民を支配するために作り出した神話だ。
「よいことをすれば天国にいける」と思うから人はよいことをするし、「努力は神様が見ていてくれる」と思うから人は報われなくても努力する。
こういう神話は人と人との関係をよくすることはあっても悪くすることは無いので、わりかしどこの文明でも長年信じられてきたし、また大切にされてきた。
だから僕も僕らの先祖が育んできたこの「神話」を大切にしたいと思う。
だけど、冷静に考えてみればわざわざ神様が人間の行いを監視しているなどあるわけないので、
限りなく極悪の限りを尽くしても、栄華にまみれたまま一生を送ることもあるし、
限りなく努力しても一切報われず理不尽に死んでいく。
それが人生だろ?


そんなわけで、宗教の話は「冷静に考えれば嘘なんだけど大切にされている教え」ってのが結構ある。
だから、特に日本ではあからさまな嘘でも本気で批判すると、「人の心を分からない奴」とか見られるし、
少しくらいの嘘は大目に見てやろうという雰囲気がある。
「お盆にご先祖様が帰ってくるなんて嘘に決まってるだろ」とかいうと、確実に変人扱いされる。
何も間違ったことは言ってないのだが。


問題は、その嘘の目的が何なんだということなんだよなー
「食べ物を粗末にするとバチがあたる」と
「この壺を買わないと地獄に落とされる」は、
大して違うことを言っていない。
どっちも、「根拠はねえ。根拠は無いけど、とにかくこうしないとひどい目にあうぞ」っていう脅迫であることに変わりは無い。
ただ、前者は物や人を大切にするこころを育むための嘘であるのに対し、
後者は詐欺であり、金を騙し取るための嘘だ。
この世の中は嘘で満ち溢れている。
皆を幸せにするための意図的な嘘もあるし、醜く肥大化したカルトをさらに肥えさせるための嘘も存在する。
どの嘘も表層的には区別がつかない。
カルト撲滅のためには、カルトへの洗脳のための嘘と社会を上手に組織するための嘘を見分ける必要がある。
そのためには「正直者は最後に笑う」というのは嘘だということを教えなればいけない。
そんなこと教えてしまってはかえって宗教に引っかかる人間が増えるような気もするし、馬鹿は絶対に短絡的に「つまり正直者なんかにならなくていいわけね」ってとるから、要するに、人に良心というものが存在する限りカルト宗教の勢いが減衰することは無いんだろうと思う。


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武士道
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痛ましい事件が起きました。
犠牲者の冥福を心からお祈りします。
こういう痛ましい事件を政治利用するのはやめてください。
お願いします。
犠牲者が反核講演を行っていたからと自分の主張に都合のいい様に市長の死を政治利用したり、
テロを起こしたのが韓国人だからとここぞとばかり嬉々として「在日は皆犯罪者」と罵倒したり、


普通に最低だと思う。



本気でひどいと思ったのが、某ブログ「市長1人ぐらいで騒ぐな!」
何でこんな言葉が出るんですか。日ごろからかなり問題のある人間だとは思っていたが、もうこれは人間の言うことじゃない。