衆愚政治とは何か 2
衆愚政治とは何かの続きです。
前回はクイズを出しました。
(ガチアホさま、Jさま、かぎおさま、ご協力ありがとうございました。
これから書くことは、他意はないので、もし何かあってもあなた方を誹謗するつもりは全くないため、
お気を悪くなさらないでください。)
おさらいをすると、
日本上空に高気圧と低気圧があります。
さて、地点Aで、風はどっちに吹くでしょう?
前回見なかった人もちょっとだけ考えてみてください。
じゃあ、正解を発表します。
正解は、3です。
西高東低って言葉、聞いたことあるだろうか?
西に高気圧があって、東に低気圧がある気圧配置。
そんな気圧配置のとき、風はどちらからどちらに吹くだろう?
そうだね、プロテイン北風だね!
これは、別に西高東低だけに限った話ではなくて、南高北低だろうが東高西低だろうが同じことが起きる。
なぜこうなるのかは、ちょっち難しいので、詳しく知りたい方は
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さて。
詳しくアンケートとったわけじゃないけど、僕の予想では、国民全員にテストすると
こんな感じになるんじゃないかな〜って思ってる。
わたし馬鹿(文系)だからわかんな〜い
とのたまい、思考放棄する方→6割
空気は高い方から低い方に流れるんだ!
だから4番!とのたまう方→3割
正しく解答できる方→1割
数字は適当だけどね。
もしかしたら、正解できる人は1割に満たないかもしれない。
で、だ。
もし仮に、「風はどちらに吹くか?」を正しく予想して、
対応する必要があったとしよう。
その場合、適切な方向に風がくることを予測することが絶対に必要となる。
さて、こういう場合、民主主義だったらどうなるか?
民主主義は正しいとは限らない。
多くの人が「地球の周りを太陽が回っている」と考えたとしても、
本当に地球の周りを太陽が回り始めることはない。
ぶっちゃけ、国民の半数以上が自分で正しく判断できるなんてことはないと思う。
要するに、「風はどっちに吹く?」という単純明快な問題でさえ、
直接民主制は不正解を指し示す。
国民の一人一人が正しい判断を自分で下すなんて、所詮都市伝説にすぎない。
んで。
民主主義が害悪となる(衆愚政治と化す原因の)一番の人間は、3割の「4番だ!」
と叫ぶ人達だと思うのね。
なぜかって、無意味にプライド高いから。
6割の「何にもわかんない〜」人はさ、多分きちんと専門家が「3番だよ!」って言えば信じる、
最悪でもプロの意見として尊重してくれる層だ。
もちろん、3割の方にも自分の間違いを認めてきちんと専門家の意見を聞く人も多い。
だけどさ、中途半端に自分でものを考えられる奴って、
「気圧が高い方から低い方に流れるに決まってるじゃないか!
風が横に流れるなんて、そんなわけないだろう!!!!」
なんて分かりやすい(間違いなんだけど)説明をされると、
コロッと信じてしまう状態になる。
はんぱに思考力あるから。
ぱんぱに知識あるから。
実際に風は横に流れるんだけど、風が横に流れるメカニズムは、結構説明するのが難しい。
それに比べて、
「気圧が高い方から低い方に流れるに決まってるじゃないか!
風が横に流れるなんて、そんなわけないだろう!!!!」
この主張は極めて単純明快である。
ゆえに、難しい理論は理解できないけど単純明快な理論は理解できる
中途半端に思考力のある人間は、単純明快な理論を理解しがちになる。
最初から「わかんな〜い」って投げてる人はいいんだよ。
専門家が公式見解を出せば、それを信じるから。
「わかんな〜い」で終わらせずに思考する層
(でも正しい答えを導き出せるほどには頭が良くない層)
の方が、よっぽど危険だと思う。
自分より頭の悪い人間がいることを知っているから。
自分と違う答えを出した人間を
「自分より愚かで誤答した」と「自分より賢い(自分が後藤した)」
と区別することができないから。
ゆえに、彼らは傲慢になり、嘘を信じ込むようになる。
結論。
民主主義で一番の害となる衆愚政治は、一番愚かな人間が作り出すものではない。
もうすこし優秀で、「自分は優秀なのでいつも適切な判断を下す」と思いこんでる奴の方が
よっぽど危険である。
要するに、分かってるつもりの人間が一番危ないって話。
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