教育におけるゆとりとは

中教審見直し、首相が否定 山谷補佐官の発言、即否定
朝日新聞2007年02月09日07時34分


 山谷えり子首相補佐官教育再生担当)が文部科学相の諮問機関「中央教育審議会」(中教審)のあり方の見直しに言及した。これに関して、安倍首相は8日、首相官邸で記者団に「それは、ありません」と言下に否定した。首相は、教育関連3法案を今国会の目玉と位置づけ、早期提出のため中教審に異例のスピード審議を「お願い」したばかり。中教審の反発を恐れて、素早い火消しをした形だ。

 山谷氏は、7日夜の水戸市での講演の質疑で、中教審教育課程部会での学習指導要領の論議について「全部過去の議事録を読み返してみたら、実はそこで議論されていなかった。生きる力が大事だとか、何とかかんとか、大ざっぱなことを延々と議論している」と指摘。「(具体的な中身は)秘密会でそれぞれの専門家が勝手に決めた。オープンにしないと、何の役割も果たしていないんじゃないか」と批判、担当の教育再生会議中教審改革を検討する考えを示した。

 文科省によると、学習指導要領を審議する教育課程部会や、その下にある各教科ごとの専門部会は公開されている。現在の学習指導要領を審議した「教育課程審議会(当時は中教審と別組織)」は非公開だったが、議事録は公開している。教育再生会議自体も非公開で、議事録の公開にとどまっている。


内ゲバ
大丈夫なんでしょうか。つーか、素人が「専門家が勝手に決めた」なんていうのは、全くの筋違いだと思うのは僕だけでしょうか。
専門家は勝手に決めていいから専門家なんです。
正直、教育再生会議が勝手に決めるより、はるかにマシです。


んでもって。
前回ゆとり教育を肯定するかのような発言をしましたが、実は僕はゆとり教育が掲げている「理念」は肯定的に捕らえているんです。
今の教育は、ツメコミ教育とか言われていますが、コレは、知識の量の割りに、その知識を使いこなせない人間がたくさんいることが、問題になっているわけで。
正直、知識のある馬鹿は、知識のない馬鹿よりよっぽど悪質です。
知識の無い馬鹿はほおって置けばいいですが、知識のある馬鹿はほおって置くと、積極的に日本を破壊できてしまうので、これ以上増やしてはなりません。


人が勉強する第一の理由は、なんといってもおもしろいから、だと思います。
「将来役に立つから」「先生がやれと言うから」「勉強しないと怒られるから」
とかありますが、何と言っても、面白くなければモチベーションは上がらないわけで。
ずっと嫌々やっている人間は、絶対にそんなに上達しません。
で。日本(韓国とかも含むかも)以外の生徒の勉強の面白さって、
「へえ、昔の人はこんな風に思ってたんだ、すげー」
とか、「へえ、科学を使うと、こんなことまで分かってしまうんだ、また、そんなことまでできるんだ、すげー」
とか、そういう言わば知的興奮でしょ?
まあ、日本人もそういう一面もあるけどさ、日本人って、
「おお、偏差値が2あがったぞ、ヤッピー」とか、
「このままの作戦でいくと○○大学に合格できるぞ」
とか、そういうゲーム感覚のものが多いことも確かなんだよ。
昔読んだ和田秀樹(こいつ、本気で大っ嫌い)系の本で、


勉強で順位をつけるな、なんて馬鹿げている。
勉強は順位がつくから面白いんだ。
レーシングゲームで順位がつかないとゲーマーは面白くないからテクニックを磨いたりしないだろ?


とかそういう主張があったんだが、それは違うだろう、と言いたい。
いや、「順位がつくから面白い」ということが違う、って事じゃない。
確かに、順位がついた方が面白いに決まっている。
しかし、そういうモチベーションで勉強した奴が将来使えるわけないだろ?
って事なんだよ。
(日本にいる限り)大学までは、基本的に競争だ。
(まあ、余裕で文一合格圏内とかそういうレベルになれば別だが、それはおいとく)
しかし、大学に入ったら、もう競争ではない。
「競争するのがおもしろいから」勉強して、大学入った奴は、競争が無くなったらどうするんだ?
留年スレスレで毎日TVゲームするのが関の山じゃないか。
正直、そんな奴らは大学来るな。大学も、日本全体としても迷惑だ。
日本の教育のイカレているところは、大学まではみんな必死で勉強するけど
大学入ったら遊びほうけている奴ばっかりだって事だ。
明らかに歪んでいる。
大学は、知識とか教養とかを得る道具のはずだ。
それが、いつの間にか大学に入ることが目的になっている。


あほな右翼は「日教組教育のせいで今の日本人は日本の近現代史を知らないまま大人になっていく。これは非常に嘆かわしい」
とか言っているが、そんなわけ無いだろ。
何でもかんでも日教組のせいにするんじゃねえよ。
明らかに原因は「大学入試以外どうでもいい」とする小中高の教育の現状と
大学入試で日本の近現代史が必修でないこと、これの結果だ。
あと、歴史が必修でも第二次世界大戦後の問題はあまり出ないから、日本史世界史を選択している人でもよく知らない、ってのが一因として挙げられる。


だから僕はある意味で共産党の「競争を煽ることではなく一人ひとりを大切にした教育を」
ってある意味では当たっていると思うんだよ。
ある意味では。
ただ共産党イカレているのは、現状として大学入試というものがなくならないのに
ムリヤリできるところから競争を無くそうとするから、
単なる人生の敗残者を量産するようなことになるんだよ。
「大学なんて、人生において何の意味も無い。その人が有能かどうかと何の関係も無い」
とか言うけど、そんなわけ無いだろうが。
大学がどことかは人生に大きく左右されるに決まってる。
東大が一校だけで全予算の1/10使ってるんだぞ?
それでも、
「東大で学んだことと、どっかの馬鹿私大で学んだことに本質的差はない」
とか言うんだったら、教育予算なんてゼロにしちまえ。
いい大学では、いい教育が得られる。それは間違いないと思う。
で、現状では、競争しないといい大学に入れないため、いい教育が得られない。
だから、競争せざるを得ない。それを
「競争はいかんから、せめて私が教えていえる生徒だけでも競争を辞めさせよう」
と積極的に生徒を馬鹿大学に送る日教組の先生は、ただ教え子の将来を潰しているだけに過ぎない。


というわけで。ゆとり教育の話に戻るけど。
ゆとり教育がなぜいかんかって言うと、まず、なんと言っても「大学入試に手をつけていないこと」
が挙げられる。大学入試が相変わらず無意味な単語の暗記勝負なら、ゆとり教育なんてうまくいくわけが無い。
ゆとり教育をしなくていい受験少年院が「やったーコレで競争が楽になってわが校の東大占有率があがるぞー」って喜ぶだけだ。
あ、そうだ。なぜいかんかの原因として、「本当にゆとりが必要な私立の監獄学校には手を入れないこと」
ってのもある。東大にロクデモナシを送り続けるこれらの学校こそゆとり教育をして欲しいのに、今の政策は全くの逆だ。
それから具体的な話になると、なぜ週休二日制にする!逆だろうが!
たくさんの時間で一つのことを教えるから「ゆとり」になるんだろうが!
あと、「総合的な学習の時間」という、ゆとり教育の目玉があるんだけど。
まあ、「ペーパーテストにこだわらない生きる力を育む授業」らしい。
しかし、これ、有効に使われていない。当たり前だけど。
新しい科目を作るのなら、まずは大学の教育学部で専門の教員を養成して、教えられる体制になってからGOサインを出すべきだろ?
何で専門としている教員がいないままやる?
文科省が本気でやっていると思われないのも当然じゃないか?
(ちなみに、僕は教育実習に行ったことがあるのだが、総合的な学習をやるに当たっての指導教官の一言「テキトーに時間潰してくれればいいよ」)
それから「情報」っていう時間も新しくできた。
コレは「来るべきIT社会において必要な情報化技術を身につける」ってことらしい。
(当たり前だけど、こうやって新しい科目をポンポン作ることによるしわ寄せは主要科目の時間数削減という形になる)
コレも、専門の教官がいないままスタートしたため、(一応、形だけの講習を受けたら情報を教える免許がもらえる)「教える先生より生徒の方が詳しい」っていう状況がザラだ。
そりゃそうだ。新しい技術に対応できるのは若い世代の方が得意に決まってる。
つーか、ワードとかエクセルとか使えないおっさんがいるとかメディアで言うけど、
どうやったら「使えない」っていう状況になれるのかが分からない。
あんなもの説明書読んで適当にいじくればできるじゃないか。
わざわざ学校で教える意味も分からないし、それすら教えられない教師がいるっていう状況も絶望的だ。


何より、ゆとり教育を実践したのがあの鬼畜寺脇研ってのが気に食わない。
僕の中では寺脇研と兵本達吉と阿部知子が日本現役三大鬼畜として光臨している。
寺脇研はラサール(スパルタによる燃え尽き症候群で有名なとこ。東大ではラサールは留年の代名詞)から東大を経て文科省に入り、広島県の教育長になって広島の教育を破壊しつくし、その後全国の教育を破壊した。
「学校に頼るな。勉強は塾で教えてもらえ」
広島県ではFランク大の進学率が非常によいので素晴らしい」

(彼が教育長になってから広島県の非行率が跳ね上がったことに対して) 「調査とか数字なんて無意味」
「都会では公立を避けて私立に進学させるのが当たり前」

等々、公教育に携わっているとは思えないステキなセリフを堂々とのたまう方です。
彼は「僕はラサールで勉強させられまくって地獄だったので、子供達にはそんな思いをさせたくない」
といって、ラサール等の私立にはなんら手をつけずに、公立の教育の教える内容を減らさせるんです。
その結果、公立をさけてラサールを希望する人が増えようが彼にとってはどうでもいいみたいです。


全部読んでくれてありがとう!
次回に続きます。とりあえず→人気blogランキングへ


                                                              • -

後日追加。
コメント欄からはリンクがたどれないので、農民様と中生様が示してくださったリンクを貼ります。


農民様
ゆとり教育を考える
http://blog.livedoor.jp/noumin1978/archives/50524113.html


中生様
ゆとり教育
http://tyuusei.blog91.fc2.com/blog-entry-3.html