続・天皇制について

ここは少しだけ真面目に天皇制について思っていることを書く。

僕は左翼です。であるから基本的に天皇陛下を敬愛していません。

(つーか陛下だの殿下だのつけるのが気持ち悪く感じてしまう)

これは、もう人格は作られているのだから、どうあろうとも僕が天皇を敬愛することはありません。

どんなことがあっても。

だから、いまいち天皇陛下ばんざーいとかやってる人の気持ちがわかりません。

本当に分かりません。

でも、僕は天皇制を廃止せよとかそういう傲慢なことは言わない。

絶対に言わない。


なぜかというと…

確かに天皇制は前近代的で不合理だ。天皇制を支持していない人から見れば、支持している人はひどくこっけいで意味不明に見える。

人類は科学を発明した。科学の眼は宗教の神秘性、不可思議性、絶対性を残酷なまでに奪ってしまう。

64億年の地球の歴史の中でわずか二千年前に登場したのが神様なわけが無い。

その神様の子孫だからといって特別に偉いわけが無い。

それが大人である僕の正直な感想。

どんなに、右翼の人が「〜〜〜〜〜〜だから陛下は地球一えらいんだ」と言っても、正直むなしく感じてしまう。


といっても、僕は北に頭をむけて寝ることができない。別に北を向いたからといってなんて事はないのに。

僕はお墓に石をぶつけたりたたいたりできない。ただの石切れということは重々承知しているのに。

僕はお茶碗に箸をさすことができない。その方が明らかに便利であったとしても。

それらは、不合理で、科学的でなく、限りなく無意味だ。北枕を禁忌することも、墓石を大切に扱うことも、何も知らない人が見たらひどくこっけいだ。

にも係わらず、僕は無意味なものにこだわってしまう。

これは親の教育によるものなんだろうな。子供が小さいときから天皇陛下ばんざーいとかやってれば自然と子供も天皇を敬うようになるのだろう。

小さいときからお墓参りにつれてかされて北枕をやめるように言われた僕は、自然と自分の中でタブーができている。

だから、分かる。

分からないけど、分かる。

僕は天皇に敬意は全くはらわないけど、敬意を払う気持ちは、つまりそういうことなんだと思う。

天皇崇拝者も、まともな人はインド人に牛食えとかイスラム教徒に豚食えとか言わないだろう。

そういう天皇崇拝者とは分かり合えなくても認め合えはすると思う。

端から見ればどんなにこっけいなことでも、その先祖から伝わってきた文化を否定したり罵ったりあざけ笑ったりするのは、幼稚で、野蛮だ。

僕は左翼だけど、同時に民主主義者である。だから憲法が保障し、国民の大多数が支持している(と思われる)天皇制を否定しない。

民主主義とは、分かり合えなくても認め合う心だと思うから。